VOICE OF SENIORS先輩たちの声

手を動かす喜びを感じ続けたい。60代エンジニアがたどり着いた“ちょうどいいスタイル”

分業の世界を抜け出し「自分の手」で動かす現場へ。技術と自由を大切にする生き方を、MIRAで見つけた

多層的な組織構造の中で、20年以上にわたってものづくりに関わってきた住田。 「現場に戻りたい」と管理職を辞め、2018年にMIRAへ入社。60代の今、たどり着いた“自分にとってちょうどいいスタイル”とは?

住田喜芳 ファームエンジニア

これまでの経歴と、MIRAへの入社理由を教えてください。

もともとは別のことをしていましたが、ある出来事を機に自分の将来について考え直し、20代前半でコンピュータの分野に進むことを決めました。学びを深める中で電子機器の組み立てや回路づくりに触れる機会があり、「手を動かしてものをつくる」ことの面白さに惹かれていきました。その後は、教育や個人での開発案件などを経験し、30代半ばに知人の紹介で事務機器メーカーに入社。プリンターをはじめとしたさまざまな製品の開発に長年携わりました。

その後、管理職としての業務が増える中で、「手を動かす喜び」から少しずつ離れていく感覚がありました。再び現場に戻りたいという思いが強まり、退職を決意。以降はスタートアップの支援や試作開発の手伝いなど、ものづくりの現場で活動を続けてきました。

MIRAを知ったのも、そうした縁の中でのことです。代表の話を聞いて、「なんだか面白そうな会社だな」と感じたのがきっかけでした。ちょうどその頃、年齢的にも“そろそろ腰を落ち着けてもいいかな”と思っていたタイミングでもありました。

 

入社後、どのような仕事をしていますか?

主に、無線通信を使ったIoTデバイスの開発を担当しています。入社して最初に取り組んだのは、畑の状態を遠隔で見守るための装置でした。地表付近に設置し、気温や湿度、写真などを定期的に取得してサーバーへ送信します。日本の農地ではあまり使われていませんが、海外のコーヒー畑やワイン用ブドウの農園など、大規模農地でのニーズがあります。

他にも、ビーコンを活用して情報配信する仕組みや、試作品づくりのための基板開発などのプロジェクトを手がけています。どれも「一人で完結できるちょうどよさ」があるんですよね。以前は大きな規模の開発チームで、大きな装置をつくっていたけれど、いまは自分で設計し、組み上げ、検証までできる。

AIツールも積極的に活用しながら、新しい技術に日々触れています。用途に応じてさまざまなAIモデルを使い分けることで、開発の効率や表現の幅も広がりました。これまでの経験に加え、進化する技術を取り入れながら、自分らしいスタイルで仕事を続けられています。

MIRAで働く魅力や、MIRAの社風を教えてください。

一言でいえば、「自律的に働ける環境」です。私が入社したのは2018年、まだリモートワークが一般的でなかった時代ですが、MIRAではすでに在宅勤務が整備されていました。私は遠方に住んでいることもあり、会社に顔を出す機会は限られていますが、自分の裁量で計画を立てられる業務が多く、自宅で落ち着いて開発に集中できる日々を過ごしています。必要な機材もすべて手元に揃っており、安心して取り組める環境です。

もちろん、こうした自律性の高い働き方がすべての人にとって最適とは限りません。自分の判断や計画が常に正しいとは限らないからこそ、時には立ち止まって見直すことも必要です。MIRAではチーム内での共有やフィードバックの仕組みが整っており、互いの見落としを補い合える文化があります。こうした組織的な支えがあるからこそ、自分のペースで業務を進められる方にとっては、非常に心地よく働ける環境だと思います。

私の場合は、在宅勤務という枠をさらに広げて、時には旅先や滞在先から仕事をすることもあります。場所や時間に縛られず、自分のスタイルを大切にしながら働けるのは、MIRAならではの魅力だと感じています。

最後にひと言お願いします。


これまでのキャリアには、一貫性があるとは言えませんし、いわゆる“王道のレール”に乗ってきたわけでもありません。でも、「手を動かしてものをつくるのが好き」という気持ちだけは、ずっと変わらずにここまで来ました。

今後どこまで続けていくかはまだわかりませんが、今のようなスタイルでものづくりに関われるうちは、この仕事を楽しんでいけたらと思っています。

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